本稿は,近年注目されている主体的な学びを促す教授・学習の手法であるアクティブ・ラーニングのうち,大学教育として実施される地域の諸団体とかかわるアクティブ・ラーニング活動へ参加することと,その活動に関係する商店街内店舗と大学生との間に生じるかかわりとの関連に焦点を当て,量的調査を用いて明らかにし,関係人口論の観点から考察するものである。関係人口論において,このようなアクティブ・ラーニング活動は関係人口の創出につながるとされる。本稿では,創出された関係人口が地域と築く関係性の内実について考察する。
調査より,アクティブ・ラーニング活動により商店街内店舗の方々と具体的な関係性が生じたことで,参加する回数が多いほど「入りにくい」と感じながらも実際には利用回数が増える,というかかわりが生じたことが明らかとなった。若者と地域とのかかわりについて検討する関係人口論における関係のあり方について,多様な展開の可能性を提示した。