商業教育とは人間形成の教育であると同時に,将来商業に従事しようとする者に対して商業に関する知識・技能および態度を習得させるためのものある。その商業教育の中でもとりわけ簿記会計については,ビジネス社会においてその需要は高く,多くのビジネスパーソンがその資格を取得しようと資格試験を受験している。一方で,簿記資格の取得が実務に役立っているかについては議論の余地が存在する。本研究では,簿記資格と会計実務の違いを明らかにするとともに,商業教育におけるビジネスに関する必要性等について考察する。
個人事業主および中小企業の会計業務の状況を確認する限り,それを担当できる人材の育成は必要であると考える。会計ソフトはおろかICT を活用していない企業もあることから,簿記会計およびICT のスキルを身につけた人材の育成を進めていくことは,商業教育を実践する高等教育機関としてそのような実践的授業を設置することは不可欠である。