高等学校学習指導要領が求めている資質・能力ベースの学力を身に付けさせるため、これからの商業教育はこれまで「何を学ぶのか」に学習の力点が置かれがちであった教育の視点について、これを維持しつつ「何のために学ぶのか」「何ができるようになるのか」という視点に拡張していかなければならない。本書では、拡張された学力を生徒に確実に身に付けさせる商業教育の理念や方向性について、学習指導要領の趣旨を踏まえつつ、商業教育のこれまでの歩みを参考にしながら、新たな創意工夫を加えて、具体的に記述した。本書は、商業教育の意義および必要性・重要性、歴史的経緯、学習指導要領の理解ならびに指導内容・指導方法・学習評価などについて考察・探求する際の基本書として編纂された。