「投資ファンド資本主義」といわれる現代において、投資ファンドは様々な「エンティティ(以下、「事業体」という)」を利用し、投資ファンド及びその投資家の節税及び租税回避を行っている。現行の日本の税制において、投資ファンド及びその投資家は、どのような節税または租税回避行為を行っているのかを検討することにより、現行税制の問題点及び未整備点がはっきりと浮かび上がってくるものと考えられる。また、現行税制の問題点及び未整備点を整備することが、法的安定性・予測可能性の見地からも租税法律主義においては必要であると考える。このような問題意識の中、村上ファンドに関する一連の報道による事例を参考に投資ファンドを考察することにより、日本における投資ファンド税制の問題点等を明らかし、その課税の方向性を検討していくことを本論文の目的とする。