(2022年1月29日発行予定)
著者:柴田典子・櫻井聡・永松陽明
担当箇所:「4.分析計画」「5.分析結果」「6.まとめと展望」
ラグビーワールドカップ2019日本大会™において、神奈川県と横浜市は神奈川県下の子ども達および福島県の子ども達(ジュニアのラグビー選手)を、横浜開催試合のうち3試合に招待した。この招待イベントにおいて、観戦招待前と後の2回に渡り、本研究プロジェクトは彼らへ質問紙によるアンケート調査を行った。
本研究はその調査結果の一部である。ラグビーワールドカップのような大規模な国際スポーツイベントへ子ども達を何らかの形で参加させることは、当該スポーツの振興のみならず、経済的にも、子ども達の国際化教育に対しても波及的な効果を持つというのが、この研究プロジェクトの問題意識である。本研究は、その基礎となる部分であり、子ども達の心理的変化はどのような傾向があるかを質問紙から得られる計量データを分析対象とした。
試合観戦後の子ども達の心理は、事前の期待より観戦後の満足は大きくなり、大会への知識も増し、観戦国への興味も増すなど、当該スポーツの振興にとって好ましい心理的態度の変化があることを示唆する分析結果であった。また、ラグビーをプレーすることが楽しいと答えている子どもほど、ラグビーの試合観戦や、観戦予定国への興味や、進学後のラグビー継続意図とのポジティブな相関があることが見いだされた。