2003年に高等学校の必履修教科として普通教科「情報」が設置されて以降,大学の情報基礎教育は情報リテラシー教育を実践する場として運用がなされており,近年においても様々な取り組みが積極的に行われ続けている。しかし一方,ここ数年における「スマートフォンの普及」により,若者がPCに触れる機会が減少している。そういった中,学生たちは,「情報」という科目そのものに対して,またPCやスマートフォンなどの情報通信機器に対して,どのようなイメージを持っているのであろうか。その把握は,大学における情報基礎教育の在り方を議論するにあたって重要な要素である。本稿では,昨今の高等学校教科「情報」に関わる現状,および本学における情報教育の取り組みなどを整理した後に,本学初年次生に対するアンケート調査等の概要とその結果を報告する。その結果を踏まえて得られた知見から,今後の本学における情報基礎教育について考察し,さらに次世代の情報基礎教育に関するモデル構築について展望する。