著者:小野聡・木村道徳・清水泰有
本研究は少子高齢化・人口減少の進む地域において、豪雪による災害が発生したときの共助のあり方を民生委員の行動の観点から明らかにすることを目的としたものである。2017年に実施した滋賀県高島市における豪雪時における行動に関するアンケート調査結果から、地域の現在的、将来的な課題を分析した。因果モデルの分析においては、残差の正規性を前提とせず個人差による効果も観測可能な「階層ベイズモデル」と呼ばれるベイズモデリングを採用した。その結果、情報の取得行動を起こすか否かは民生委員の経験の有無に依存する一方で、行動した結果十分な成果を挙げられたか否かは最終的には地縁要素、すなわち常日頃から顔の見えやすい関係を築けているかが重大な要因になっていることが明らかになった。