高齢者の介護・見守りのニーズが増大する中,地域における互助の強化が図られている。2015年からは介護予防・日常生活支援総合事業がスタートし,地域住民など多様な主体による多様な生活支援サービスが市町村単位で行われるようになった。問題意識を持った人々が生活支援サービスを有償/無償で提供する取り組みを試行している地域もあるが,支え手不足や資金不足などの課題を抱えており,効率的・持続的実施のためのマネジメントシステムづくりが急務である。
こうした中,効率的マネジメントや支援者のモチベーション向上などを目的として開発された活動履歴管理システム「キャリア介護システム」の実証実験を2つのフィールドで行った。実験およびインタビュー調査により,目指すべき生活支援サービスのあり方を整理・検討するとともに,本システムが地域人材によるサービス提供の体制づくりや支え手のモチベーション向上に資することを検証することができた。また,今後の課題や可能性も明らかにした。