「ライフデザイン論の可能性と陥穽?「自立」を強いられる社会における「生活の形」の創造」
本稿は、ライフデザインの社会的異議と政策課題としての性格を分析している。1970年代以降の福祉見直しの時代の中で、行政は「自立と自助」という価値の下、「生きがい」政策や社会指標の充実化を通じて個人による生活設計・生涯設計の政策的推進を計った。生活設計・生涯設計の社会的重要性は高まりつつあるが、一方で、生活設計・生涯設計が規範的な性格を持つことで、デザイン能力の格差は新しい政策課題となりつつある。
日本社会学理論学会『現代社会学理論研究』
No5、pp76-88