Constructing old age and two emancipations: A critical review of post-war Japanese social gerontology
本稿は、戦後の社会老年学の議題設定や議論の通史的分析を通じて、日本社会における老年期の社会的構築過程を分析している。日本の社会老年学の発展は1960年代までの貧困からの解放、1970年代以降の高齢者の多様性の発見、1990年代以降の高齢者の多様性の徹底という三つの段階に区分して考えることができる。現在も多様性の徹底の時期にあり、社会老年学の視点は高齢者という社会集団から高齢者個人の意思や選好を重視している。
International Federation of Ageing