「マックス・ヴェーバーにおける〈現世への態度〉の諸類型としての禁欲と瞑想――エルンスト・トレルチとの比較」

「世俗内禁欲」をはじめとするヴェーバーの「現世への態度」の諸類型は、当時の宗教研究の諸概念を独自に構成したものである。本稿では、ヴェーバーの類型構成の特質をトレルチの概念構成と比較した。トレルチが「禁欲」を軸にその強度に視点をおくことでキリスト教内部の分析に寄与したのに対し、ヴェーバーの類型構成は、「禁欲と瞑想」の対立的な二つの軸を設定することで、世界宗教の比較分析へと視野を拡大することを可能としたのである。

『社会学史研究』（日本社会学史学会）

第26号