「マックス・ヴェーバーにおける理解社会学と神義論問題―先行研究とその批判」
ヴェーバー宗教社会学における神義論問題の意義について、神義論問題に初めて注目したF・テンブルックの議論を批判的に考察しながら再考した。テンブルックによる神義論解釈の問題は、ピューリタン的な脱呪術化を頂点とした宗教発展論を構想し、神義論を脱呪術化へと宗教史が展開していく動力と位置づけた点にある。本稿では、地上の不条理から天上の義を訴えるベクトルと、天上の論理が再び地上を秩序づけるベクトルとの双方向性に注目し、秩序と行為の相互作用論としてヴェーバーの議論を再提示した。
『千葉商大紀要』
第50巻第2号