「労働時間のジニ係数 ―労働時間の個人間不平等は拡大したのか」
本研究では、総務省の労働力調査における労働時間(就業時間)のジニ係数を、1983年から2008年について算出した。15歳以上人口におけるジニ係数の上昇は、高齢化による週労働時間が0時間の者の割合の上昇に多くが帰せられ、生産年齢人口に限定したジニ係数に上昇傾向がないのは、女性の生産年齢における従業率の上昇から来るジニ係数低下効果と、短時間労働者の割合が増え長時間労働者の割合が減った上昇効果が相殺されたためである。
『統計研究彙報』第68号 総務省統計局 2011年