Vol. 19.日本の公的介護保険制度の現状と課題を、給付と負担の視点から明らかにした。はじめに、日本の公的介護保険制度の概略ならびに2005年度の介護保険改革について解説し、次に現状と問題点について分析した。2006年改革において、予防給付が創設され、予防重視型のシステムが導入された。介護サービス市場は拡大したが、トラブルも多く、2008年に、コンプライアンス体制整備の義務化などを制度化した。施設に入所できない要介護者が増加している。介護報酬は低く抑えられており、介護労働者の待遇は悪いため、介護労働市場は慢性的な介護労働力不足となっている。