「ドイツにおける介護保険の人的所得分配効果」
日本地方財政学会(第9回大会) 大阪市立大学
ドイツの介護保険導入がもたらした各介護等級ならびに所得階層別の影響について、ハインツ・ロートガングの視点からの考察を中心に報告した。分析結果から、介護保険は高所得の要介護者に有利な制度であることが確認できた。旧法では、総所得に対する保険料率は単純累進的であったが、新法では、71300マルクを境に累進率が低くなっていた。つまり、公的介護保険法は、社会扶助受給者を除く71300マルク以下の低所得者に、負担を強い、それ以上の所得のある者の負担は軽減していた。