本稿は、日本財政学会第67回全国大会における研究報告に加筆修正したものである。本稿では、独立会計方式の限界を検討した上で、それに代わる定式配賦方式に関して考察している。まず、独立会計方式のもとでの国家間の課税ベース配分方法について検討している。次に、McLureが指摘する「特別利益」を考慮すると、独立会計方式に基づくシステムは機能不全を起こすことを明らかにしている。そして結論として、独立会計方式に代わり定式配賦方式を導入することが、国家間の適正な課税ベース配分のためには必要であると主張している。