日本語の『語り』における完結相非過去形の役割
日本語の「語り」における完結相非過去形の統一的な記述を試みた。完結相非過去形が、一般的な「完結相」のアスペクト機能には収まらない様々な時間関係を表現すること、用法間には義務性の点で違いがあることを確認し、全ての用法において「未実現・未成立の事象」を表すという中核的な機能が保持され、従って、過去形との交替は「随意的」な場合でも「不規則」ではないことを例証した。
『大阪薬科大学教養論叢・ぱいでぃあ』
第25号, pp.99-133