「再提示」における時制選択:英語の現在完了形と単純過去形をめぐって
論述的書記談話において一度言及された事柄を再び取りあげる(「再提示」する)際に用いられる現在完了形と単純過去形に注目し、両者の使い分けを「再提示」以降の論旨展開の違いから観察した。単純過去形によって再提示される情報には議論の進行に「全面的・直接的」に関与する「情報の確定性」が認められ、現在完了形によって再提示される情報には議論の進行に「部分的・間接的」に関与する「情報の暫定性」が認められた。
『英語語法文法研究』
第5号, pp.173-190