現在完了形の 「現在」:「未確定性」としてのCurrent Relevance
単純過去形との対比において現在完了形の非継続用法が「不定」表現として機能しうることをふまえ、さらなる比較分析を通じて、 文脈的な特徴による“Current Relevance”の再規定を試みた。現在完了形が用いられる場合、過去の事象は「発話時において進行している状況」と結びつけられる。この流動的な現在の状況を、伝達行為そのものと談話外状況とに区別することにより、より的確な記述が可能になる。
『大阪大学言語文化学』
第5号, pp.149-164