「不定過去」としてのパーフェクト
大阪大学言語文化学会第8回大会 (大阪大学、大阪)
現在完了形の非継続用法は、表現される客観的事態の点では、単純過去形との区別が難しい。この区別をつけるための伝統的な説明概念である"Current Relevance"は、話者の主観に関わる捉えどころのない概念としてしばしば記述から退けられてもいる。本論は、この「話者の主観」をより明示的な形で捉え直すため、両形式の振る舞いと、定・不定名詞句の振る舞いとの間に見られる類似性に注目し、単純過去形と現在完了形の違いが談話内での情報価値の点で観察できることを示した。