本稿では、税務におけるデジタル化の進展として会計監査実務に大きな影響を与えると考える、①原則として2024年1月から宥恕措置の廃止で保存要件にしたがって電子データを保存する電子帳簿保存法(電子取引)及び②2023
年10月から任意で適用されるデジタルインボイスの2点に関して、その概要を述べるとともに、電子的監査証拠という観点からどのような影響があるのかについて検討する。さらにデジタルインボイスにおいては、データの構造化・標準化が図られるメリットがあり、処理の自動化の促進などの影響が生じる。このデータを活用することにより、監査手法の変化が生じる可能性があると考えており、この点に関しても述べていきたい。