本稿は、米国のソーシャルレンディングサービス・Prosper社のケースをもとに、ソーシャルレンディングサービスが貸し手と借り手の間に横たわる情報の非対称性とその解消に対してどのようなアプローチを行うべきかをより詳細に検討したものである。Mcmillan(2002)等多くの研究者が指摘しているように市場が機能するには参加者間の信頼をいかにして確保するかにかかっている。Prosper社はサービスのコミュニティ内部に蓄積された信頼と、信用情報という外部に蓄積された信頼の基準を用いて、参加者間での情報の非対称性を解消しようと試みてきた。ただし、インターネット上の仮想コミュニティ内部の信頼が機能するか否かについては今後さらに検討する余地が残る。