本稿は、コミュニティ・エンゲージメント概念の再検討と当該概念を構成する要素の明確化を目的としたものである。当該概念は、Algesheimer et al. (2005)によってその重要性が示唆されたものの、Baldus et al. (2015)が注目するまで、中心的な議論からは外れており研究蓄積は未だ少ない。また、両者は理論背景が異なっており、少ない研究の中でさえ統一された見解が持たれていない。これらの問題点を踏まえ、それぞれが基盤とした理論背景及び類似概念についても検討し、当該概念の再定義と構成要素についての仮説を導きだした