「わが国の企業会計制度と日本的経営(2)―責任の観点から―」
本稿は,会計ビッグバン以前の戦後のわが国の企業会計制度と日本的経営との関係に焦点をあて,出資者や投資家に対する会計行為が,責任実践としてどのように位置付けられてきたかについて検討した。検討の結果,日本的経営ではアカウンタビリティの必要性に対する意識が低かったため,企業会計制度がアカウンタビリティを制度化したものであったにもかかわらず,財務報告や会計専門職監査がアカウンタビリティに係る責任実践としては認識されず,法的な責務と認識されていたとする試論が導かれた。
『千葉商大論叢』第56巻第3号,57-72頁,千葉商科大学国府台学会
第56巻第3号