「わが国の企業会計制度と日本的経営(1)―信頼の問題を中心として―」
本稿は,会計ビッグバン以前のわが国の企業会計制度と日本的経営の関係を,信頼の観点から論じている。考察を通じて,わが国の企業会計制度がトライアングル体制をとることで,日本的経営において利害関係者との長期安定的な関係を築くことが可能となり,また日本的経営が利害関係者との長期安定的な関係を築いたことで,投資家への情報提供に基づく信頼形成の必要性を減らし,わが国の企業会計制度においてトライアングル体制の継続が可能となったとする試論が導かれた。
『千葉商大論叢』,55-69頁,千葉商科大学国府台学会
第56巻第2号55-69頁