【書評】林智良著:W. E. Grigsbyの学識と教育活動―日本最初の「ローマ法」講義担当者をめぐって・森光著:民法典論争以前におけるローマ法の継受
明治期における我が国のローマ法教授の状況について研究された林氏、森氏の両論文を紹介した。これは自身が先に行った岡松参太郎に関する研究(『商大論叢』第48巻2号)に関連した内容であり、本来民法学者である岡松がローマ法に関心を向けた背景をよりよく認識し、かつまた当該領域を専門とする者同士が連携して未開拓の部分の多い当該時期の西洋法、とくにローマ法教育について研究するきっかけを得た点でも意義深い。
法制史研究(第64号):法制史学会(編) :成文堂