イルカが半球睡眠をする理由 ―― 体温保持説の検証
統計数理研究所研究集会「非侵襲生体信号の解析・モデル化技術とその周辺2」特別講演
睡眠とは,一面において,からだ全体の低活動状態であると長く理解されてきた.脳においても同様で,例えば,徐波睡眠時には,脳のどの部位においても“徐波状態”であると考えられてきた.しかし,イルカの半球睡眠やヒトの局所睡眠に関する研究の進展により,睡眠中の脳の状態が時間的空間的に決して一様な状態ではないことが明らかにされつつある.実際の研究データを紹介しながら議論を進める.