飼育下バンドウイルカにおける,妊娠出産にともなう睡眠行動の経時変化
日本動物行動学会第32回大会
飼育歴20年以上のメス個体Aの観察記録を中心に解析し,通常時(非妊娠期),出産前後,およびその後の経過に関して示した.出産に伴って母獣の静止型睡眠が激減する(20.2%→1%)こと,新生仔の静止型睡眠がほぼ無い(0%)ことは,先行研究を支持した.いっぽう,新生仔の睡眠量が生後7日に13%,5週後に8%と一般成獣(30~40%)に比較し少ないことなどの結果からは,新生仔に関して未解明な睡眠行動を行っている可能性が考えられた.