“鯨捕りに”染まりゆく私――鯨類の行動学的調査への布石,フィールドに入る(100万人のフィールドワーカーシリーズ 第一巻)
和歌山県太地町は,日本に三カ所のみ残る小型捕鯨の基地である.著者は,その太地町において,小型捕鯨を中心とする捕鯨コミュニティーへの参与観察,および鯨類行動観察のための乗船調査を続けてきた.本稿では,地域コミュニティーで参与観察を始める課程と技術,鯨類調査という仕事の解説,そして地元の俗諺である“ゴンドウ日和”について乗船経験をもとに科学的考察を加えた.
古今書院