(ビジネスケース)石川県金沢市の箔産業は400年の歴史を持ち、今日日本で唯一の箔産地である。長い歴史のなかで培われてきた商習慣により、日本文化に不可欠な金箔や銀箔の製造が続けられてきているが、一方で、新しいビジネスを開拓していく風土は乏しい。しかし、金箔の需要が低迷する中で、伝統を守りながらも新ビジネスを切り開いていかないと、産業の発展は望めない。この課題にいち早く取り組んだ株式会社箔一の挑戦の経緯を詳細にまとめ、伝統と革新という相反する課題の克服を目指すアントレプレナーシップと、戦略性について考察する。