寄附行為を定量的に評価することで、寄附を必要とする公益法人がより寄附を集められるようになる要因、また、寄附行為の障害となる要因について、様々なデータと分析手法を用いることで、大学の資金調達のメカニズムを評価することにより、寄附行為に影響を与える要因を明らかにすることができた。特に資金調達の評価に関して、マクロ構造の要因と大学の特性による2つの要因が存在することが明確になった。マクロ構造においては、資金調達において多くの公的助成を受けることができる体制は寄附金が集めやすい傾向にあり、ミクロの大学の特性として、創立から長い期間運営している大学や、研究を重視している大学は、ディシプリンに関わらず寄附金を集める傾向が高いことも明らかになった。(第2章「大学をめぐる寄附行為の定量分析とモデル分析」担当、23-38ページ)