IFRSとのコンバージェンスが進行する中で、我が国の会計基準が資産・負債アプローチの公正価値会計の観点から改訂等が進んでいる。平成22年4月1日以後開始する事業年度から適用されている、次の会計基準についてその概要をまとめた。①企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」②企業会計基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」③改正企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」次いで、平成23年3月31日以後終了する事業年度から連結財務諸表について適用されている企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」の概要と、当会計基準の個別財務諸表への適用が先送りされた背景について説明した。平成23年4月1日以後開始する事業年度から適用されている企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」は、多くの会計基準の改正を要求し、また、金融商品取引法、会社法及び税法と複雑に関連する基準であることから、それらとの関係を整理した。最後に、IFRSは連結財務諸表に適用される基準であり、配当可能利益算定(会社法)や課税所得算定(税法)の基盤となる個別財務諸表の会計基準とは分離すべきだとの議論が強くなっており、連単分離論の今後の動向について言及した。