欧米と比べて、我が国のESG投資の規模は小さく、また市民が資産形成のためにESG投資を実行するには十分至っていない。それは理論的側面においては、顧客、従業員、取引先、社会コミュニティ等、ステークホルダー全体の価値を高めることが株主価値の向上に繋がり、企業価値の中長期的向上に繋がる、との認識が不十分だからである。またこれに関連して資本概念も従来の財務資本・製造資本・人的資本にとどまらず、知的資本・社会関係資本・自然資本といった共有資本を導入していくことの認識が不十分である、という問題がある、といった点を指摘した。