本論文は「公会計の理論」として東洋経済新報社より公刊された。本論文は6章から構成される。各章の要旨は以下の通り。再掲 第1章においては、公会計理論の研究の目的と研究の過程を明らかにする。第2章「慣習としての会計の変遷」では、会計が、主人と執事の関係から生じるスチュワードシップを基盤として成立つことを明らかにした。第3章の「公会計の理論」ではスチュワードシップが主権者である納税者と政府の間に観察されることを確認し、会計報告として「政府の貸借対照表」「納税者の貸借対照表」「成果報告書」が必要であることを説明した。第4章「公会計情報の構造」では、第3章で示した理論が、従来の公会計の情報に比べてよりわかりやすく税の必要を説明するものであることを示した。第5章「公会計の今後の展開」では、新たな公会計の理論の有用性を、環境会計や貨幣制度さらに監査制度との関連で説明した。