制度会計としての企業会計は、投資家を中心とする財務諸表の利用者の意思決定に有用であることが目的とされた。公会計の報告主体である政府の会計責任者は首長である。納税者はその会計責任を十分に果していたか・いないかを、投票により示すことになる。首長の任期を会計期間とする事により、納税者の貸借対照表と政府の貸借対照表は首長の財政状態を改善させたか悪化させたかを明確に表示するものとなる。この点から、制度としての公会計の目的は主権者の投票行動における意思決定に有用であり、かつ有権者の代表者である議員の意思決定に有用であることが求められる。