1977年American Accounting Association(以下 AAA)は、公会計の目的を「現職管理者を支持するか、交代させるかに関する意思決定に必要とする情報を提供すること。」と報告した。この目的は企業会計においても同じである。株主は長期間にわたって利益をあげない経営者を交代させる。経営者が交代しても利益があがらないならば、資本が引き上げられる。企業は解散するのである。 公会計の場合には、企業会計の利益に相当する業績測定の基準を明確にできなかったために、AAAのいうところの「意思決定に必要とする情報」を定義することができなかった。本稿により、政府が他の経済主体と区分される条件である強制力が、わが国においては税と呼ばれていたことが確認された。多くの国が専制政から共和制に移行したが、この政体の移行は、税をコントロールする主体の専制君主から納税者への移行としてとらえられる。これにより、公会計においては税を企業会計における利益のように、納税者と政府の共通する関心として扱うことの妥当性が明らかにされた。 均衡財政を損なうことは、同意を求めることもなく子供たちに税を負担させるものである。勘定科目の名称にはそれがどのような取引の結果を示すのか、あるいはどのような取引を発生させるのかが表現されなければならない。この意味で「将来の税金」は子供たちの負担を表示するものとして適切な表現である。