主権者も行政責任者も安易に行政の仕事を増やしてきた。承諾の機会のない者に課税をしないという民主制の最初の約束を守ることは、今や困難な約束となっている。困難な仕事を成し遂げる行政責任者の成果には価値がある。正当な評価を受けなければならない。能力のある行政責任者を見出し、行政を委ねることで、将来の税金は減少する。行政責任者のおこなう複雑で膨大な行為を、行為の目的とその結果を将来の税金への影響として記録することで、困難な仕事の成果は明らかになる。困難な財政状態を引継いだ行政責任者が均衡財政に近づけたことが数字として会計報告されるからである。主権者は、将来の税金が記された会計報告を受取ることで行政責任者がなした困難な仕事を評価することが可能となる。これにより主権者は、能力のある行政責任者を見出し行政を委ねることが可能になる。主権者もまた、民主制の最初の約束を守る行政責任者を守ることができる。後に将来世代のそしりを受けないためにも、行政責任者は掲げた理想と実際の行政に乖離がないのか、行政に税を払う価値はあるのかを定期的に検証し、主権者に報告しなければならない。