法に国民主権と定めても、国民が主権とは何かを知らなければ国民主権は実現しません。主権は課税を中心とする市民の権利に介入する略奪する力です。民主政は、市民の多数決による承諾の後に課税を中心とする略奪をコントロールするのです。 赤字国債の発行が財政法で禁止されるのは、承諾を与える機会のない次世代に課税をすることになるからです。しかし、民主政の本質を軽視し、あるいは忘却したために、赤字国債は1994年から絶えることなく発行されています。地方自治体も借入れに依存して運営されています。 市民が、良い権力者を見いだし重用し、悪い権力者を廃することができる会計が必要なのはこのためです。良い権力者を見いだす会計が行われなければ、フランス人権宣言を宣言した人たちが心配したように政府は腐敗を続け、市民は、自ら選んだ権力者の略奪に苦しみます。