我が国では、当初所得の格差拡大や物価高を背景に、給付付き税額控除制度の創設が検討されている。所得格差是正を効率的に行うには、低所得者ほど行政サービスにアクセスしやすいことが望ましいが、我が国の制度は低所得者にとって利便性の高い制度ではない。
また、デジタルインボイスの税務への活用に関する研究も活発に行われているが、デジタルインボイスの強制適用が進んでいないわが国では、それを前提としたデジタル技術活用は現実的でない。このような中、モンゴルではスマートフォン等の身近な媒体とデジタル技術を活用した『Ebarimt(イーバレント)』制度が、課税機関のみならず事業者・納税者にも利便性の高い税制として運用されている。
そこで本研究では、デジタル技術を活用したモンゴルの『Ebarimt』制度を基礎に、所得格差是正を効率的に行え、かつ低所得者が容易に行政サービスへアクセスし得る制度構築について検討・報告した。