自己愛と攻撃性の関係を扱った従来の研究においては,発達的な視点があまり見られない.そこで本研究では,青年期前および青年期全般における自己愛と攻撃性の関係について横断的に検討することを目的とした.572名の小学生・中学生・高校生・大学生を対象に,NPI-SとBAQにより自己愛傾向と攻撃性を測定し,下位尺度を含めた両尺度間の相関を年齢群ごとに検討した結果,自己愛が高いと攻撃性も高くなるという,先行研究と一致した結果が得られたほか,これまであまり検討されていない発達的な側面についての知見も得ることができた.