これまでの一連の研究から,教育実習において重視される様々なスキルが明らかとなってきたが,その中でも重要と考えられる日常生活スキルについて改めて検討を行った.具体的には,今年度新たに教育実習を終了した実習生175名を対象とし,日常生活スキル(島本・石井, 2006)と,実習に関する自己評価および他者評価(実習校から得られた成績評価)の関係について検討を行った.その結果,前回の調査(相良ら, 2016)よりも日常生活スキルが有意に向上しており,この数年間行ってきた事前指導の効果が認められたものの,実習校による他者評価とは関連が見られなくなった.このような結果となった背景について考察するとともに,今後の大学の教員養成課程においてどのような事前・事後指導を行うべきなのか検討を加えた.(相良麻里・相良陽一郎:担当部分=データ分析・考察部分の検討および本文執筆)