これまでの一連の研究から,教育実習において実習生が感じる困難さの背後に,ソーシャル・スキルや日常生活スキルの問題があることが示されている.本研究では,新たに今年度教育実習を終了した実習生157名を対象とし,自己受容尺度(板津,1994)と,実習に関する自己評価および他者評価(実習校から得られた成績評価),そして教員採用試験の合否結果との関係について検討を行った.その結果,自己受容性が他者との円滑な相互作用を促し,教育実習の多くの場面で評価されやすいこと,さらには教員採用試験の合格にもつながりやすいことが示された.これを受け,実習生が自己受容することの重要性について論じた.(相良麻里・相良陽一郎:担当部分=データ分析・考察部分の検討および本文執筆)