これまでの一連の研究から,教育実習において実習生が感じる困難さの背後に,ソーシャル・スキルや日常生活スキルの問題があることが示されている.本研究では,新たに今年度教育実習を終了した実習生184名を対象とし,自己受容性測定スケール(宮沢,1987)と,実習に関する自己評価および他者評価(実習校から得られた成績評価)の関係を検討した.その結果,自己受容性が他者との円滑な相互作用を促し,教師としての適性という面で評価されやすいことは示されたものの,全般的な評価にはあまり結びつかないことが明らかとなった.しかしこの結果については,今回使用した尺度に問題がある可能性もあるため,今後は自己肯定感との関連でより詳細な検討が必要であることが示唆された.(相良麻里・相良陽一郎:担当部分=データ分析・考察部分の検討および本文執筆)