先行報告(Nakamura et al., 2009)と同様,質問紙によって自己効力感・自律性・認知的方略の使用について調べ,それらが英語の能力とどのような関係にあるのかを検討した.その結果,メタ認知的な方略の使用と英語力の間に正の相関が得られた.また,メタ認知的な方略をよく使用する被験者群では,自律性と自己効力感の間に相関が見られ,メタ認知的な方略をあまり使用しない群では,繰り返し方略と自己効力感の間に相関が見られた.この結果は,メタ認知を活用している者とそうでない者とでは自己効力感を高める学習方法に違いがあり,特に後者では,繰り返しといった単純な学習方略で満足してしまう傾向があることを示していると考えられる.