エモーショナルストレスが目撃証言に及ぼす効果(2):注意集中仮説の検討
日本心理学会
前報での結果を受け,再認テスト成績について前報とは異なる観点から分析を行なってみた.ストレス下での認知的反応に関する一般的なモデルとして,注意集中仮説(Christianson and Loftus, 1991)と flashbulb memories 仮説(Brown and Kulik, 1977)とを本実験に当てはめてみると,両者からは互いに矛盾した予測が引き出せる.しかし結果的には,どちらの仮説も支持できないことが判明し,ストレスの存在は記憶を全般的に抑制するものと推測された.