本稿においては,筆者たちが担当するようになって5年が経過した教職課程科目「総合演習」の授業のあり方を振り返るとともに,この論考から得られた知見を今後の授業の改善へとつなげることを目的として,同科目の意義や課題などに関する考察を加えた。 その際には,当該科目の受講者およびSA(Student.Assistant)に依頼したアンケートを主たる手がかりとした。こうした手法から,論考はアンケートに記載された彼らの意見や思いに大幅に依拠したものとなっている。 論の構成であるが,第1章においては,本学の「総合演習」がたどってきた経緯について言及した(沖塩担当)。第2章では,筆者たちが担当している同科目の現状を述べた(永井担当)。第3章においては,「総合演習」をめぐる意義や課題の中でもSAによるサポート体制に関連した意義と課題(永井・沖塩で担当),第4章では,SAによるサポート体制以外の意義と課題について検討した(永井・沖塩で担当)。そして,最終章においては,筆者たちが授業を実施する中で立ち上がってきた当該科目の課題を論じた(永井担当)。