教育法規の学びによって身に付ける力は、リーガルマインドである。そして、リーガルマインドは教師が身に付ける基礎的な力である教師力の一つである。そこで、本稿ではリーガルマインドを身につけるための学びの理念や方向性を、新しい学習指導要領における学力観の転換から始まり、それを実現するための授業づくりに不可欠なカリキュラム・マネジメント、社会に開かれた教育課程及びアクティブ・ラーニングの理念や方向性と関連づけながら考えた。
生徒が身に付けるべき学力が、コンテンツ・ベースの学力からコンピテンシー・ベースの学力に転換しているように、教師が身に付ける教師力もコンテンツ・ベースの力からコンピテンシー・ベースの力に転換されなければならない。これまでの教育法規の学びは、個々の教育法規の内容の理解に多くに時間が割かれてきた。いわば、コンテンツ・ベースの力の習得であった。これからの教育法規の学びは、コンテンツ・ベースの力をいかに様々な場面で活用・適用させていくための力を身に付ける学びでなければならない。教育法規の学びのコンテンツ・ベースの力の育成からコンピテンシー・ベースの力の育成への転換である。教師は、リーガルマインドを身に付け,それを手段として生徒にとって良い授業を実現するため、日々、授業づくり、授業改善に取り組んでいかなければならない。