現在、複雑で、多岐にわたる学校教育に関する問題の解決を、教員には強く求められている。そのためには、教員はどのような資質・能力を身に付けるべきなのだろうか。このことについては、これまでにも様々な機会に議論され、提言されている。本稿では、主に中央教育審議会の答申や教育再生実行会議の提言を手がかりとして、これからの教員に求められる資質・能力について、整理するとともに提言を試みている。今回のこの考察に当たっては、学習指導要領が児童生徒に身に付けさせることを目指している「生きる力」を教員に求められる資質・能力に関連付けながら進めている。さらに、本稿で明らかにした教員に求められる資質・能力を、教職課程で学ぶ学生に理解させるとともに、それらを身に付けさせるための教職課程における授業の取り組みについても紹介している。