小説『野ブタ。をプロデュース』に見る自己愛:ペルソナと自己プロデュース
本研究では、小説『野ブタ。をプロデュース』の主人公の心理分析を自己愛の観点から行うことを目的とした。方法は、主人公の心理や行動が描かれている場面を抽出し,抽出された文字データに対し,心理学を専門とする研究者2名が別々にコーディングを行った。その後各コードの類似性や関連性を自己愛の視点を導入し分析した。その結果、主人公はペルソナを維持するのに多大な努力を払っており、そのために自己疎外に陥っていることが示唆された。
東京家政大学研究紀要第54巻