メネストリエのバレエ理論からみたノヴェール―『舞踊とバレエについての手紙』(1760)における借用をめぐって
18世紀の舞台芸術界に大きな影響力をもったノヴェールの著作『舞踊とバレエについての手紙』のなかで、メネストリエの著作された借用された部分を指摘、検討し、ノヴェールは、17世紀のバレエを論じるテキストを元の文意を曲げて自らのバレエ論を論のために利用していることを指摘する。従来はノヴェールのバレエ理論の斬新性ばかり強調されてきたが、彼の理論は強くメネストリエの影響を受けていることを見直さなければならないことを指摘する。
『美学』
244号